専門用語-夏
しかし夏は我らの中でも一番の小物!
次なる季節を果たして破れるかな?
夏
出典:ファンタジアバトルロイヤル2003.MAY
なつ【夏】
(一)四季の一。春と秋の間の季節。一年中で最も暑い季節。
(二)封仙娘娘追宝録9 刃を砕く復讐者(下)が発売される時。
龍誌編集部夏盗難事件
月間ドラゴンマガジン増刊号ファンタジアバトルロイヤル(以下龍誌増刊号)が季刊誌に変わる直前のことである。当時ろくごまるに氏は刃を砕く復讐者(上)のあとがきで、思いっきり体を壊し、かなりマニアックな臓器をやられていたことを公表していた。
しかし、「新刊マダー?」「(下)マダー?」と作者の生死を案ずる読者を尻目に、二年のブランクをものともせず「ただいまっです。復活封仙!再始動ろくごまるに!!」と帯に銘打った短編集を発表。龍誌増刊号レギュラー陣の一人として短編掲載を始めた。
その時、一つの特集記事が全ての読者を引き付けた。龍誌増刊号2003.MAY p12-13の見開きカラーページによる封仙娘娘追宝録の紹介記事、その一角に書かれた六行にわたるあおり文である。
以下にそのまま引用する。
好評既刊は全部で12冊!!お近くの書店でゲッツ☆
封仙知らないって人は即ダッシュ! 騙し合いのスリル、魅力的なキャラ、驚愕のバトル、感動が詰まってます!
半年ぶりの新作短編はこれぞ大逆転!?「封仙娘娘仙界編」は254Pよりスタート!
封仙とろくごまるにの作品は、増刊でしか読めません! 年四回。高クオリティ、高濃度でお届けします、約束だ!
そして、そしてお待たせしましたっ!「刃を砕く復讐者(下)」は今夏発売予定で作業中!
いやぁ、すごいことに……でも、言えない。言ったら待ってるみんなに申し訳が。ともかく、封仙祭りは夏だ!
これにより、ろくごスレでは新刊は夏に出ることを確信する。実に「刃を砕く復讐者(上)」が発表されてから三年と五ヶ月目のことであった。
その後、ろくごまるに氏は龍誌増刊号に「仙客万来」(2003.MAY)・「雷たちの大饗宴」(2003.AUGUST)を順調に掲載していく。しかし、約束の夏に「刃を砕く復讐者(下)」が発売されることはなく、ろくごまるに氏は「最後の宝貝」(2003.AUTUMN)を残して消息を絶ってしまう。
幾つもの月日は流れ、ろくごスレ住人が蟲毒ならぬネタ毒によりネタ師へと変化しきっていたある2005年7月21日の夜。富士見書房のメールマガジン「うらどら」が届く。
以下はその抜粋である。
夏がやってきました。よ、ようやく……。
メルマガさぼってました、すみませんBDKです。
暑いですね。体調崩してませんか? さて。梅雨も明けて夏本番ですが。
夏と言えば何を思い浮かべますか? お祭り! いいですね。プール!
最高です。読書! もちろん。でも、仕事もしなきゃなのです。そんな
毎日をすごすぼくのもとに。ある一通のメールが。それは……。夏を告
げるあるメールでして(後半につづく……)。
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○今回のひとことスクープ! 夏本番!
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というわけで、目の前が霞んでよく見えません。この手にこぼれる熱いものは――な、
み、だ……。軽い酩酊に襲われます。本当に自分の手にしているブツが現実のものなの
か? 幻想の中にあるものなのか? 白昼夢? そう、この原稿の1ページ目にはこう
タイトルが……「封仙娘娘追宝録(9) 刃を砕く復讐者(下)」!?
ああ、長生きってするものですね。生きているからこそ、サーラの新刊も読める。
スター・ウォーズの完結も観られる。百星聖戦紀の10巻目も。天地無用!GXPの
2巻目も。そして、そして封仙娘娘追宝録の幻の下巻も。ああ、生きよう。生きて本を
読もう。みんな待っていてください。もう少しです。夏ではないですが。秋には刊行し
ます。生きろ。生きろ。生きて、封仙娘娘追宝録の新刊の発売日に書店で会いましょう!
このメールの到来をもって長く苦しい夏待ちの時代は去り、歴史は新たなる局面に突入するのである。
以上が無数のネタ師を生み、数多の絶望に浸る読者に希望の光を見せてしまった、龍誌編集部夏盗難事件の顛末である。
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